なつかしい質問

  先日、私のタウンミーティングを地元の公民館で開催した時のことです。ミーティングの内容を簡単にいいますと、テーマは「スマートシティ」というものです。スマートシティとは、ひと言でいえば、その名の通りなるべく無駄を省きより質の高い生活を実現するための社会基盤を軸としたまちづくりの概念の一つです。そしてその中核を担うのが、これまで別分野だったものが、あらゆる情報を瞬時にして共有できるスマートフォンに代表されるデジタル技術の集合体、すなわちデジタルトランスフォーメーション(DX)です。いまや携帯電話は、一昔前の移動しながら連絡ができる道具から、お買い物から映画鑑賞、旅行・レストランの予約、道案内、Suica、スケジュール管理等々数え上げたら切りのないほど多岐にわたり、我々現代人のなくてはならない生活必需品となっています。ミーティングでは、わかりやすいように世界におけるデジタル技術の取り組み事例などを上げました。たとえば、トイレ。税金の支払いなど身近なものから用を足すとトイレ自体が自動的に尿の成分を分析しそのデータをすでに登録している人のスマホに送信されてくるものや同じくペットの尿も猫の場合なら自宅の猫砂(猫のトイレ)がペットの猫ちゃんの尿を分析し飼い主のスマホに送られてくるもの、衛星技術との組み合わせで地下に眠るガス、石油の埋蔵量や動物、魚の動態などを観察することによる地球環境の変化、さらには空から会社の倉庫の在庫状況などを分析し景気判断や将来の予測につなげたりと、これらの情報がスマホ一つでできるようになってます。とさんざんスマホ、デジタル技術の進化について説明をしたあと、60代なかばの女性からとある質問をいただきました。「そんなに通信網が張り巡らされて電波による人への弊害はないんですか」と。

 私も含めほとんどの人は、50年前ならともかく電子機器が発する電波の影響について「心配」する方はあまりいないのではないでしょうか。その場では、失礼ながら私は技術者ではなく行政を預かる人間の一人なのでその質問はちょっと分野が異なります。といってすぐ次に進みました。その時はとくに気にも留めなかったのですが、電波による人体への影響というなつかしい質問がどうも脳裏にこびりついて、帰宅してから調べてみたところ、総務省のホームページにしっかりとでておりました。電磁波と電波という基本的な解説から電波の生態に対する影響、電波の健康リスク、動物実験、疫学調査等による生体の安全評価等に関する研究などなど。そして各調査・研究を行った団体名、個人名、調査・研究の経過、結果などもきっちりと公表されておりました。結論から言えば、これまで行ってきた電波に関する調査・研究からは人体を含めた生体への影響はまずないとのことです。興味のある方はぜひ総務省のホームページをご覧になっていただきたいと思いますし、ぜひ質問者さんにもこの情報を共有したいところなのですが、聞いたところによれば質問者さんはスマホはおろかこれまで携帯電話なるものを所持したことがないということです。

おかげでいい勉強になりました。

*私見ではありますが、スマホやテレビのスクリーンを何時間も見続けることによる視力の低下や眼精疲労、自律神経の乱れや充血、疲労などはここでいう「電波の影響」ではなく個々人の「生活習慣の影響」だと考えられます。