Monthly Archive for 2月, 2016

公共事業の効果を考える②

公共事業の概念を言うなら、「国土に働きかけて国土から恵みをいただく行為であり国土に働きかけなければ国土は恵みを返さない。国土は働きかける度合いに応じてわれわれに恵みを返す」との言葉もあるように、英語でいえば「Infrastructure」、Infra-下部の、structure-構造つまり「社会を下から支える基礎構造」=公=制度(法律など)+装置(道路・港湾など)ということが言える。公共事業投資に関する主要国トップの発言を見てみるとオバマ大統領は一般教書演説(2014年1月28日)で「税制改正を進める中で確保した予算を道路の改築、港湾機能の向上、通勤、通学の混雑解消ための仕事に充てることができる。なぜなら、今日のグローバル経済の中では、第一級の仕事は第一級のインフラに引き寄せられるからである」、「21世紀のビジネスと経済に見合ったインフラの整備が必要であることは与野党双方が同意している。今よりも30倍以上の雇用創出が可能なインフラ整備計画を議決し米国をもっと強い国にしよう(2015年1月21日)」。「インフラは現代生活を支え、経済戦略の重要な要素であることから、後回しにできる課題ではない。もしわれわれのインフラが二流になれば我々の国も二流になる。(2012年3月19日英キャメロン首相」、「欧州およびグローバル社会におけるドイツの競争力を保障するため質の高い交通インフラの整備が必要だ2013年12月独メルケル首相」、「交通の増加なしに経済成長をなし得るという認識は完全に誤っている。インフラは成長と繁栄の原動力である2014年5月1日独担当大臣」。ではここで実際の道路整備による経済効果を見てみよう。例1)圏央道沿線では開通後、新規工場の立地面積の伸びは全国平均の約3.6倍、1都4県平均の約2.4倍。例2)千葉県印西市国道464号の整備からみる大店立地数の推移は道路の延伸とともに10年間で3倍以上、商品販売額では平成11年を100とし平成24年では千葉県全体では50%に対し印西市では230%。また欧州諸国との道路網(制限速度100㎞/h以上)比較でも英8,483㎞、仏10,509㎞、独12,174㎞に対し日本6,871㎞と明らかに劣っていることがわかる。さらに補足になるが東アジアの主要港のコンテナ取扱量でもシンガポール3,164万t、上海3,258万t、香港2,310万t、広州1,474万t、釜山1,702万t、東京763万t、大阪496万tと東京と大阪を合わせても韓国の釜山に遠く及ばない。以上のようにインフラ整備が経済政策の最重要課題であることは世界の主要国の動きから見てもまた数字の上からも明らかなことである。以下は愚考であるけれども、私は成田空港と羽田空港間又は東京駅(品川駅も)間に新幹線あるいはリニアを建設するべきだと考えている。主要空港から都心まで90分以上かかる先進国はまず世界のどこにもないだろう。建設区間は成田から東関東自動車道の外側を通り幕張新都心→市川塩浜→羽田(又はお台場→品川)のルートだ。もともと市川塩浜地区はららぽーとの建設計画があったほどその利便性から有力視されていたところだ。新幹線開通によりTDRへの観光客の宿泊地となるだろうし当然宿泊施設も誘致できる。そうなれば他の企業誘致もしやすくなるしその経済効果は計り知れない。この壮大なプロジェクトを進める前にまずはそれにふさわしい駅名を考えてみる。