被災地視察

先日の台風26号に続き27号も勢力を保ち北上中という。どうやらこの国は自然災害とは切っても切れない運命らしい。被災された方々には心からお悔やみを申し上げます。

昨日宮城県の東松島〜塩釜〜石巻〜女川をまるまる一日を費やし強行視察してきました。朝6時に出発し東北道を一路北へ。今回は5月下旬の南相馬市〜浪江町〜原発の視察ルートと異なり最初の目的地の東松島までほぼ一直線で高速を利用できる。東松島は言うまでもなく日本三景のひとつの景勝地だ。日中の気温は15度前後で上着がないと少々肌寒さを感じるが、さすが観光地というもの多くのお客さんで賑わいを見せており英語圏よりも中国、韓国からの方が多くみられたのも印象的だった。この光景を見る限り2年7か月前の出来事が嘘のように思える。

震災当時強い揺れにもかかわらず倒壊した建物はほとんどない。ただ明治時代からの古い木造二階建てが多く耐震の面から現在使用できずにいる建物も数件みられる。津波の高さは2~3mだったというがお土産屋さんの入り口の真ん中あたりまで達していたり観光用ボートや遊覧船までもが陸に打ち上げられたところから考えると3~4mはゆうにこえていたのではないか。店舗の入り口に「ここまで津波が来ました」との貼紙も何軒か見受けられる。数人の方にインタビューしてみたところ徐々に活況を取り戻しつつあるあるという。遊覧船にも多くのお客さんが列をなして並んでいたしとにかく何よりだ。

東松島をあとにし国道45号線と398線を交互に移動しながら塩釜、石巻へ。海側には海産物関係の加工施設がたっているが海側より300~400m内側にある道路の両端には雑草と埋め立てあと以外は何もない。もともとの街並みや景色を知らないため前後の比較がうまくできないので途中またまた地元の方にインタビュー。この辺一帯は漁港を中心に魚市場や水産加工業者の施設が立ち並び道路端には何軒ものお店や商業施設が並んでいたとのこと。津波の高さは7m、内陸1㎞まで及び津波到達後10分間であたりは瓦礫の山になったようだ。海に面している漁港まで出てみるとイカ釣り船がその仕事の準備に追われていた。しかしセリ場の建物の壁、屋根は当時のまま破損しており観光スポットにもなっていた魚市場は閉鎖されたままだった。海とともに生活を営んできた町はいま復興に急ぐ工事関係者で慌し様相を呈しているが道のりはまだまだ険しい。前回視察の南相馬市のように放射線の心配はないが自然との共存共栄と住民との安全な暮らしの境目をどこに引くのか大きな課題を残している。

 

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