WBGT(暑さ指数)

  気象庁は7月30日、「熱中症の危険が特に高くなる」として北海道から沖縄までのほぼ全域に高温注意情報を出しました。総務省消防庁によると7月22日から28日までの1週間に、全国で5,664人が熱中症とみられる症状で病院に搬送され、11人が亡くなったということです。大阪府の遊園地では着ぐるみを着てダンスの練習をしていた28歳の男性が熱中症でやはり亡くなっているということからも熱中症は高齢の方ばかりではなく日頃健康な成人男性も注意しなければならないことがわかります。
 テレビドラマでも有名な徳川幕府の3代将軍家光公の乳母である春日局は、厳しい残暑の最中に65歳で急死しましたがその死因も今でいう熱中症だということです。当時の人々は、暑い日本の夏を乗り切るために甘酒を熱くして飲んでいたようですが、甘酒の原料である米こうじが食欲が減退し栄養不足になりがちな庶民のからだの栄養源になったのでしょう。このような庶民の知恵から甘酒は夏の季語にもなったというのを聞いたことがあります。
 
  ここで日本の夏の暑さについての興味深い調査をご紹介します。
調査は六月、花王がインターネット上で実施したもので、暑いイメージがある中東・アフリカ出身者の83・3%が「出身国より日本の方が暑い」と回答、全体でも71・3%に上った。さらに日本の夏の暑さについて「耐えられないほど暑い」は全体で46・7%。「涼しい」や「寒い」はゼロだった。75・3%は「体がだるい」「眠れない」といった夏バテを来日後に経験していた。
 自由記述では「まるでサウナにいるように湿度がとても高い」(欧州出身)、「暑さと湿気の組み合わせで、いつも汗をかきっぱなし」(北米出身)、「湿気があるため呼吸困難になりそうなくらい息苦しい」(アジア・オセアニア出身)との声も寄せられた。
  暑さの本場の国々からきている方々がこのように言うほどやはり日本の夏は厳しく災害級の暑さというのもうなずけます。

今月の用語 暑さ指数 WBGT
暑さ指数(WBGT(湿球黒球温度):Wet Bulb Globe Temperature)は、熱中症を予防することを目的として1954年にアメリカで提案された指標です。 単位は気温と同じ摂氏度(℃)で示されますが、その値は気温とは異なります。暑さ指数(WBGT)は人体と外気との熱のやりとり(熱収支)に着目した指標で、人体の熱収支に与える影響の大きい ①湿度、 ②日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境、 ③気温の3つを取り入れた指標です。
*運動や作業の度合いに応じた基準値が定められているので、詳しくは環境省ホームページ熱中症予防サイトをご覧になってみてください。
*暑さ指数(WBGT)の実況と予測のページで千葉県市川市というように地点を入力すれば自動的に数値が出てきます。

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