イグノーベル賞 Ignoble賞

人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究に与えられるイグノーベル賞が先日発表された。一つはハウス食品グループの研究で玉ねぎをを切ると涙がでる原因である酵素を突き止めたこと、もう一つは脳が免疫細胞に及ぼす影響を研究したもので心臓移植したマウスにオペラの名曲ヴェルディ「椿姫」やモーツァルトを聴かせるとふつう8日間ぐらいしかもたない心臓が26,5日間も延命したこと、などだ。

思い出す節がある。最近私の知人でとある健康セミナーを主催している方がいらっしゃいますが、私も誘われて参加したことがある。柄にもなく花を活けてみたり抹茶と和菓子を楽しんでみたりしてみた。つまり簡単に言うとそのセミナーでは普段の食事や運動に加えて美しい花を活けてみたり絵画を鑑賞したりすることで心をリラックスさせ健康な人生そのものをつくる、という趣旨だ。およそ花や絵とは無縁の生活を送っている我が身だがそのセミナーの効能、効果がイグノーベル賞により証明されたということか。

しかし私にだってリラックス法はある。飲み食いを外せば今のところはもっぱら読書だ、さらに言えば本を読んだ後の妄想ほど楽しいものはないと思っている。個人的には歴史ものを好むが、物事に「たられば」はあり得ない、特に歴史においては禁物だろう。どんな具合の妄想かというと、私の先祖は代々田安家(現在の北の丸近くにある田安門)に仕えていて高祖父は徳川慶喜の秘書(書記、口述筆記係)のようなことをしていたらしい。大政奉還の時、慶喜公からお礼として巻物をいくつか拝受している。もし、明治維新がなかったら、もし戦勝国だったらなどとあれこれ考えてしまうのだ。前者の場合、私は長男だから職業は現在で言えば首相秘書官か某閣僚の秘書といったところか。江戸時代の川柳で「役人の子はニギニギをすぐおぼえ」、「ニギニギ」とはもちろん賄賂のことだ、というように水戸のご隠居に成敗されて後世の名を汚すだけか。聞こえはいいけど、フランスのヒツジのような髪型といい日本の丁髷といいなんだか滑稽でつまらなそうな感じと、しょうもない妄想時間はだいたい2~3分だ。今日のように台風予報で外出せず屋内待機のようなときはなおさらこの妄想が冴えてくるのだ。さて今夜はどんな時間を過ごすか、オペラの名曲のかわりに名妄想で人生のひとコマを彩ってみよう。

 

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